top of page
五節舞

Living History in
京都・二条城
『大正大饗』

大正4年(1915)、大正天皇の即位礼が京都御所・紫宸殿にて執り行われたのち、皇室の離宮であった二条城(二条離宮)にて、盛大な饗宴「大饗(だいきょう)」が開催されました。二の丸御殿の北側に饗宴場が新たに建設され(現存せず)、二の丸御殿は列席者の控え室として用いられました。

2日間にわたり開かれたこの宴には、国内の重鎮や各国の大使が招かれ、伝統的な宮中儀礼に加えて、洋食や洋楽など大正モダンの息吹が取り入れられた格式高い場でした。

本企画では、「大饗第一日の儀」で披露された五節舞(ごせちのまい)をご覧いただき、当時の饗宴を彩ったコース料理の一部を味わいながら、大正という時代の華やぎと交錯する文化の香りを感じていただくひとときをご提供いただきます。



本企画では、大正大礼の際にのみ着用された貴重な舞姫装束の再現制作を担当しました。

緋色地に桜文様をあしらった袿(うちき)の上に、松に鶴の意匠を織り出した唐衣(からぎぬ)を重ね、

手に檜扇(ひおうぎ)を持った舞姫が優雅に舞う——それが大正期の五節舞です。

昭和以降、唐衣は鳳凰に牡丹、袿は萌黄色へと変化していきますが、

大正期特有の鮮やかな緋色の装束を再び現代に甦らせる試みとして、史料や写真をもとに再現を行いました。


また、五節舞の演目における雅楽の再現においても、再現チームの一員として携わりました。和琴、龍笛、篳篥(ひちりき)などの調べが響く中、「乙女ども 乙女さびすも 唐玉を 袂にまきて 乙女さびすも」と詠われる大歌(おおうた)にのせ、装束に身を包んだ舞姫たちが檜扇をかざしながら、ゆったりと優美に舞う姿は、大正の雅とモダンが交差する時代の美を今に伝えています。


衣裳の再現制作について


撮影|宮下直樹

Project Gallery

bottom of page